2008年7月25日金曜日

父との会話

父が出張のため来中した。働かせてもらっている会社の社長に「せっかくお父さんが来るなら上海に行ってきなさい」とご好意で休みをもらえ上海へ向かった。終日一緒に上海、杭州を駆けずり回った。

父とは幼いことから別に仲が悪いわけではなく、自分が小学校から高校まで野球チームに所属していたため、シーズン中はほぼ毎週の日曜日試合会場に応援しに来てくれた。そしてその移動の車の中で野球の話しやたまに仕事の話をしていた。ただ、お互いコミュニケーションがあまり上手くないせいか、中々自分としては赤裸々に思ったまま話すというより、どこか遠慮をしてしまっている自分を感じていた。母とは何でも話すが、父とはあまり長時間は話さないという感じだった。

中国で働くようになり、父との会話する機会は、電話とメールだけになりぐっと減ってしまっていた。そのため、今回の来中で、自分が何を考えながら今中国の杭州で生活をしているのかを話せればと思っていた。全日程が終わり、最終日の夜、父もこの機会に自分と話したいという気持ちがあったのか、夜景を望める場所で話をすることにした。結局泊まっているホテルの屋上にある外灘が望めるバーに行き、そこで父と乾杯をした。これまでどうだったのか?これからどうしていきたいのか?について自分の気持ちを話した。

これからやりたいことは、二つあって、一つは、自分で事業を立ち上げたいと思っていること。もう一つは、学生時代から興味を持っている父の仕事で力になれることがあれば手伝いたいということだ。と伝えた。前者はおそらく理解をしてもらえなかっただろうが、伝えることができてよかったと思う。

その後部屋に戻り、普通ならそのまますぐに寝るが、この機会を逃すと次じっくり話せる日はいつ来るか分からないということで、先ほど話していた内容を続けて話した。話しているうちに、父の仕事で抱えている悩みなども聞くことができた。父からそんな話を聴くのは初めてで、それを機に自分も思ったことをすべて話してみたくなり、幼いことから遠慮をしながら家族内でのコミュニケーションで感じていた赤裸々になれない気持ちも伝えた。父はそれを聞いてどう思ったか分からないが、自分は何かこれまで感じていた壁を破ったような清清しさを感じた。

帰国日、空港で握手をし、会社の人と父が帰国した。25歳で初めて腹を割って長時間父と話すことができた、そんな父の訪中だった。

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