2008年8月26日火曜日

アーイの優しさ

中国留学時代の中国人の友人が今朝、日本で働くために上海から成田に飛び立った。大学のころから日本で住んでみたいと目標を持ち、試練を乗り越え勝ち取った念願の日本行きのチケットを手にした友人からの姿から自分という芯をしっかりと持ちその芯を少しずつ太くしながらしっかり生きているなと感じる。

友人は6月に大学を卒業し、日本に行く8月まで上海で過ごさなければならず、ちょうどその時自分は仕事で杭州に移っていたので上海の部屋を使ってもらっていた。そのため、大家の中国人の55歳くらいのアーイ(中国語でおばさんという意味)と友人も知り合い、同じ故郷であるという理由からとても仲良くなり、明後日日本に行く。と伝えると、その日の夜近所のケンタッキーに3人で食べにいって出発を祝おうと言ってくれ、さらに出発の日、朝6時に合わせて見送るとまでも言ってくれ、出発の当日は大家と自分2人で友人を空港行きバス乗り場まで見送りにいくことになった。

アーイとは家主の借主と言う関係だが、ただ部屋を貸してくれている。というだけじゃなく、自分と同じくらいの歳の娘さんが香港の名門大学に留学しているそうで、若い自分の姿を見ているとまるで自分の子供のようなのでほっておけない。と言ってくれ、料理を作ってくれたり、掃除をしてくれたり、事あるごと親切にしてくれ上海での生活を支えてくれている。そしてその度に「謝謝」と言うと、「不用謝(お礼なんていらない)」と気を使わないように言ってくれる。

今朝、朝6時に朝食を持ってきてくれ、そして友人とアーイが手配してくれたタクシーに乗り、空港行きバス乗り場に向かった。夢に向かって出発する友人への日本で頑張れ!という気持ちと、わずか2か月住んだだけの自分の友人にそこまで親切にするアーイの優しさそして、友人の門出を祝うかのような晴天にとても心が和んだそんな朝だった。

アーイと家に戻り、そして今度は自分の日本出発を見送ってくれた。「これまでこの部屋に住んでた人はみんな出世してるよ!だから阿郎もきっと出世するよ」と言ってくれたアーイと別れ、日本行きのフェリー乗り場に向かった。

                 上海~大阪行きフェリー、東シナ海沖にて

日中学生交流企画

帰国を前に大学時代に活動していた、日中学生交流団体が主催する中国人と日本人学生の合宿企画のウェルカムパーティを見学してきた。

会場のホテルに到着しスタッフルームにおじゃまし差し入れを渡し、そして当企画の参加者用冊子を見せてもらった。1週間、日中交流という領域で日中の学生が語りあい、企画運営していくためにどうすればいいのかをメンバーが考えた知恵や想いが組み込まれた一冊で、とてもよくできていた。これはすごい。と思いながら1文字残らず目を通した。

成田空港と関西空港から、関東、関西地区の大学生参加者が到着し、いよいよウェルカムパーティが始まった。代表挨拶、企画紹介、立食交流パーティ、故郷紹介、テーマソングの合唱とスムーズに進行した。会場にいる団体メンバー、参加者総勢約50人の日中の学生一人一人がこの企画に対して期待を胸に秘め、目を輝かせてるような印象を受けた。会場の隅からその姿を眺めながら胸が熱くなるのを感じた。

隣国である日本と中国が、これからどのようにつきあっていくべきなのか?どのようにつきあっていきたいのか?スタッフ、参加者一人一人がこの企画を通じて見つけ出してほしい。2005年2月から立ち上がったこの団体は今年で4年目になる。これからも日中の学生の成長の場となるすばらしい団体であってほしい。そして自分は、これから自分のできることを増やしていき、この団体をOBとして後輩に勇気や希望を与えられるような存在になれるよう成長していきたい。

                        上海にて

2008年8月23日土曜日

猫を預ける

日本に1か月程帰国することになった。しかしその間、愛猫のあにゃん(♀3ヵ月)をどうしよう?と考えなければならない。これまで家を空ける時は、長くても1週間だったので友達にお願いして預かってもらっていたり、隣の部屋の友人に餌と水だけ補充してもらってきてなんとか乗りきってきたが、今回は1か月なので軽々しくお願いはできない。

一番迷惑がかからない隣の部屋の李君にお願いすることにしたのだが、同じ時期に彼も家を離れており、面倒を看れないということだったので、近所の猫を三匹飼っている愛猫家のフォンさんに電話をしてみた。ファンさんは、あにゃんを拾い里親を探していた時ちょうど町の電信柱に「猫が行方不明になったので、見つけたら電話をしてほしい」という内容の猫の写真付きの張り紙をしていて、猫のために張り紙までする人ならきっと可愛がってくれるに違い無い。と思い、あなたの猫を見つけたんじゃないけど、ちょうど今猫を拾ったから飼いませんか?と電話をしたことがきっかけで初めて出会った。

結局、フォンさんの家には既に親子の猫が3匹(母1、娘2)(父が行方不明になった)いて、これ以上増やすのは迷惑だろうなと思ったことと、あにゃんを手放したくないなと思う気持ちで飼ってもらわなかったのだが、時間を見つけてはあにゃんと同じ時期に生まれた子供の猫2匹と遊びに行かせてもらっていた。

「実は日本に1か月ほど帰らないといけないから、あにゃんを預かってほしいんだけど、、」と電話すると、快く「いいわよ。」と答えてもらった。一安心し、お泊りグッズを揃えることにした。また、万が一フォンさんの猫たちに怪我させてしまってわと思い、前日に動物病院で狂犬病の検査や爪切りをしてもらった。

気性が荒く、まだ子供で悪戯好きのため夜離しがいにしているとこっちは寝ているのに足や手をガブッと噛んだりひっかいたりしてくる。そのため寝る時寝場所に入ってこないようにしなければならなく、寝るときに入れるオリを買うことにした。預ける日の前の晩、オリやお泊りグッズをまず持っていかせてもらった。

その日はあにゃんと一緒に寝たが、1か月離れるとなるとやはり寂しい。朝、フォンさんの家にあにゃんを抱きながら歩いているとやはり寂しさと不安を感じ、保育所に子供を預ける心境ってこんな感じなのだろうか?と想像しながらフォンさんの家に着いた。

フォンさんは用事で外出しているのでシェアリング相手の小雨(シャオユウ)が迎えてくれた。早速オリをセットし、しばしフォンさんのかわいい猫と戯れる様子を仲良くやってくれればいいが、、噛みぐせが出なければいいけど、、という不安の気持ちで眺めていた。しかし、小雨の「一路平安(気をつけて日本に行って来てね)」(せめて食費と猫の砂を買うお金だけ受け取ってと伝えると)「お金はいらないそんなことなら預からないよ。安心して日本に帰ってきて。」となんともありがたい言葉をかけてくれ、安心してあにゃんと分かれた。

1か月後、きっと身体は大きくなっていて見違えているだろう。フォンさんの子猫と戯れて成長したあにゃんと無事再会できるといい。

2008年8月22日金曜日

父との会話

父が出張のため来中した。働かせてもらっている会社の社長に「せっかくお父さんが来るなら上海に行ってきなさい」とご好意で休みをもらえ上海へ向かった。終日一緒に上海、杭州を駆けずり回った。

父とは幼いことから別に仲が悪いわけではなく、自分が小学校から高校まで野球チームに所属していたため、シーズン中はほぼ毎週の日曜日試合会場に応援しに来てくれた。そしてその移動の車の中で野球の話しやたまに仕事の話をしていた。ただ、お互いコミュニケーションがあまり上手くないせいか、中々自分としては赤裸々に思ったまま話すというより、どこか遠慮をしてしまっている自分を感じていた。母とは何でも話すが、父とはあまり長時間は話さないという感じだった。

中国で働くようになり、父との会話する機会は、電話とメールだけになりぐっと減ってしまっていた。そのため、今回の来中で、自分が何を考えながら今中国の杭州で生活をしているのかを話せればと思っていた。全日程が終わり、最終日の夜、父もこの機会に自分と話したいという気持ちがあったのか、夜景を望める場所で話をすることにした。結局泊まっているホテルの屋上にある外灘が望めるバーに行き、そこで父と乾杯をした。これまでどうだったのか?これからどうしていきたいのか?について自分の気持ちを話した。

これからやりたいことは、二つあって、一つは、自分で事業を立ち上げたいと思っていること。もう一つは、学生時代から興味を持っている父の仕事で力になれることがあれば手伝いたいということだ。と伝えた。前者はおそらく理解をしてもらえなかっただろうが、伝えることができてよかったと思う。

その後部屋に戻り、普通ならそのまますぐに寝るが、この機会を逃すと次じっくり話せる日はいつ来るか分からないということで、先ほど話していた内容を続けて話した。話しているうちに、父の仕事で抱えている悩みなども聞くことができた。父からそんな話を聴くのは初めてで、それを機に自分も思ったことをすべて話してみたくなり、幼いことから遠慮をしながら家族内でのコミュニケーションで感じていた赤裸々になれない気持ちも伝えた。父はそれを聞いてどう思ったか分からないが、自分は何かこれまで感じていた壁を破ったような清清しさを感じた。

帰国日、空港で握手をし、会社の人と父が帰国した。25歳で初めて腹を割って長時間父と話すことができた、そんな父の訪中だった。

2008年8月6日水曜日

PODCAST

大学を卒業し、上海で就職するということで1年前の3月、中学時代の球友の呼びかけで、小学校、中学校、高校、予備校時代の広島の20名の友達が同級生が営む居酒屋に集まりサプライズで送別会を開いてくれた。本当に心温まるパーティだった。その際、上海でがんばれよ!っていうみんなの気持ちじゃけんということでi-podナノを餞別に贈ってくれた。

そのおかげで、移動の際はいつもポケットや鞄に入れ聴いている。i-tunes から移した音楽もたまに聴くが、もっぱらPODCASTを活用し、情報源や学習用に使っている。

今日は最近聴く番組の数も増えてきたので、一度★とジャンルで分類してみようと思う。
★★★ 更新ごとに必ず聴き毎回聴き入ってしまう
★★  テーマによって★★★と同じくらいおもしろい
★   時間がある時に聴く

【情報系】
聴く日経 ★★
週刊日経トレンディ ★★
読売ニュース ポッドキャスト ★
編集長取れたての話 ★
長谷部瞳は日経一年生 ★

日本の新聞が手に入れにくい中国なので、どの情報源もとても重宝している。この番組かた気になった情報をネットで詳しく調べたり、手帳にメモをし注目しておく。

【知識・知恵系】
伊藤洋一のビジネストレンド  ★★★
伊藤洋一のRound Up Now!   ★★
マーケット・トレンド     ★★
ラジオの街で逢いましょう   ★★★
ラジオ版学問ノススメ     ★★
藤沢久美の社長トーク     ★★
小阪祐司のワクワクビジネスボイス ★

上の三つは伊藤洋一さんがお話される。経済の動きが今どうなっているのか、これからどうなるのか見識を得られる。ラジオの街で逢いましょうは大好きな番組だ。中でも平川克美さんが出演されている番組はゲストとの知的な会話を楽しむことができる。藤沢久美の社長トークは様々な業種の社長の生の声が聴け、刺激をもらえる。

【その他】
情熱大陸+P ★
久米宏ラジオなんですけど ★

情熱大陸は大好きな番組なので、番組の裏側を知れてうれしい。久米宏のラジオなんですけど は久米宏さんの声を聴くとニュースステーションとつながり、広島の実家での生活を思い出すから不思議だ。

【娯楽・音楽】
ぽっどきゃすてぃんぐ落語 ★★★
爆笑問題カーボーイ ★★★
クラシック名曲サウンダリー  ★

この三つは仕事をした後や気分を切り替えたい時、頭を休めるのにとても効果を感じる。
落語はこの番組を通じて興味を持ち出した。爆笑問題カーボーイは移動中思わず一人ニヤニヤしてしまう。クラシック名曲サウンダリーは仕事の前、睡眠前、集中したい時など聴く事により心を静めてくれる。

【語学】
英語deキャリアアップ ★
南美布のstep up with TOEIC ★

英語の勉強をしなければ。英語を話したいな!とモチベーション付けしてくれるのがうれしい。

いろいろな番組を聴いていて思うが、たしかに番組のおもしろさもあるが、
それに加え、自分の聴く姿勢によって頭への入り方が変わり、同じ情報でも質が大きくことなる。そのため、今どんな情報を自分が求めているのかを考えて番組を選ぶようにしている。これからも新しい番組をどんどん見つけていって、移動時間を有効に使いたい。

i-pod広島の友人への感謝を忘れずこれからも大切にしたい。また、このi-podを通じて、成長しまた広島に帰りたい。

2008年8月5日火曜日

杭州のユースホステル

中国に旅行される加藤先生に杭州のホテルを適当にどこか押さえといてということで、真っ先に思い浮かんだのが、西湖の畔にあるユースホステルだった。先日、杭州で3年間、書道を勉強している留学生の知り合いとこのカフェで食事をし、とても雰囲気が良く是非日本からの旅行者にも勧めたいと思っていた。

ユースなので、シャワー、トイレは共同、朝食無しだが、一泊一人部屋で180元、ドミトリーなら6人部屋で1泊一人50元。立地は杭州のおしゃれ通り南山路にあり、建物も杭州らしい趣がある。また、ユースの中には宿泊者が集まるカフェがあり、無線ランがつながっているし、DVDを無料鑑賞できるし、世界の旅行者と知り合えることもできる。

1人部屋が空いていなかったため、ドミトリーに泊まっていただくことになったのだが、勧めておきながらドミトリーでもしも何かあっては申し訳がつかないと思い、一泊50元だし自分も2日間ユースに泊まることにした。一泊は先生に奢ってもらった。
(ここ数日上海に行っていたので愛猫のあにゃんは友達に世話をしてもらっている。)

夕食をして、ユースに戻り、夜は2日間ともカフェで過ごした。先生は司法試験の勉強や生徒への手紙の執筆、自分はパソコンを持っていき仕事の調べ物をし、それぞれの時間を過ごした。バイオハザードを横目にみつつ、たまに先生と話し過ごしたが、集中できる場だなと思った。

映画の音は聞こえるものの、興味の無い映画だとあまり気にならないし、また留学時代北京のユースホステルで友人と徹夜で企画書を仕上げた思い出と重なり、ユースホステルでタスクをするということが自分のアドレナリンを高めているような気がした。先日、山の頂上で読書するのは面白いと書いたが、読書モードの山、仕事モードならユースという感じだ。

これから何か仕事が溜まったら、このユースに数泊して、一人合宿をしようかと思う。
杭州にまた一つ好きな場所が増え、うれしい2日間だった。

2008年8月3日日曜日

『10000時間』続けること

日本から予備校時代の恩師、加藤先生が来て、上海⇒杭州を楽しんだ。先生には悩める浪人時代、現代文の授業で初めて出会い、現代文の授業にとどまらず、

読書の魅力、良書の読み方、一般教養の大切さといった、知的好奇心。
中国の発展状況への興味、仕事の選び方、といった、キャリアデザイン。
朝5時起き、資産運用、ハガキを大切にする、フェリーでの旅といった、ライフスタイル。

など多く学ばさせていただいた。

今は日本の悪徳業社に騙される人が多い日本が許されないという動機から、45歳になろうとされている年齢にも関わらず、高校や大学の教壇に立たれつつ、司法試験に挑戦されている。

近況報告、中国の現状、日本の現状、家族のことなどお話しつつ、上海の南京東路、上海⇔杭州の高速列車『和諧号(CRH)』、杭州の景色を楽しんだ。

お話の中で、「10000時間何かを続けたらきっとそれは自分のものになる。」という言葉は心にぐさっときた。先生もこの言葉は法科大学院の教授の方から教えていただいた言葉で教訓にしているそうだ。

ちなみに、24時間×365日=8760時間なので、10000時間は一年と約52日という時間の長さだ。
ただ実生活には食事、睡眠、人づきあい、余暇などあるので、一日それに10時間とれたとしても、1000日はかかることになる。

自分は何に10000時間費やすかということがまだ絞りきれていない段階ではあるが、今これまで続けてきたことで、これからも続けていきたいことは、中国でのマーケティングかと思っている。といってもまだ2000時間弱だろう。この2000時間を大切にしつつ、またその中でももっと具体的に大きな志を持った対象を作れるようにしたい。

明日は仕事が終わった後食事して、明後日でお別れだ。限りある時間だが、いろいろお話できればと思う。

                     杭州青年ユースホテルのカフェにて

2008年8月2日土曜日

想いを実現するためのスキル

夕方列車の乗って上海に戻ってきた。特急列車の和諧号は金曜日ということでチケットが売り切れてしまっており仕方なく2時間弱かかる快速列車の切符を購入した。今回帰った目的は19時から開かれる上海マーケティング勉強会という毎月開かれている勉強会に参加することと、日曜日に予備校時代の先生が日本から上海に来られるのでお会いするためである。

16時15分に赤い列車は杭州を出発したギリギリで購入したチケットのためか、寝台座席の片隅が自分の席だった。列車で旅をする時なら寝台座席の前の席の人といろいろコミュニケーションを積極的に試みるが、さすがに杭州⇔上海間だけの移動なので、話しかけずずっと本を読んでいた。18時20分に上海に到着し急いで勉強会会場へ向かった。

今日のテーマは大手外資系広告代理店の方による『中国でのマーケティングはおもしろい!』
というものだった。自分はこれから何をとことんやりたいんだろう?と考える日が続いているが、やはり学生時代からずっと興味を持っている、中国でのビジネス。その中でもマーケティングというのはもしかしたらとことんやるに相応しいかもな。と少し思っているから興味深いテーマなので杭州からの強行参加を決めた。

内容は、その方のこれまでの仕事の経歴、簡単なマーケティングの方法、中国での成功事例、上海で働く事の面白さ、質疑応答というものでこれからの仕事で活かせるなと思えることを拝聴できた。

中でも、ご自身の経験談から、気持ちだけでなくしっかりとした理論武装もしなければ相手に伝わらないというお話をされていた時、「理論構築と客観性は想いを実現するためのスキルである。」と言われていて、自分にあてはめられることができた。これまでこのビジネスは!!と熱く燃え上がるような気持ちになっても、それを落としこめるだけの方法を知らない自分を感じることがあるからだ。

今日の勉強会を通じてこれからやるべきネクストステップとして
○理論構築ができるような方法論をしっかりこれから学ぶ。
ということを心がけたい。
そして、それに加え最近思い続けている、
○熱い気持ちを持てる対象をじっくり考え見つけ出す。
を組み合わすことができればいいなと思う。