2009年1月16日金曜日

すばらしい風景

東京で宿泊している家の近くに小さな銭湯があり時間を見つけては通っている。脱衣所には体重計や木でできた身長計などあり、なかなか雰囲気のある処だ。銭湯は、温かいお湯に浸かりながら、時には何も考えずぼーっと全身を休めたり、時にはサウナに入りながら目を閉じてこれからどうしていきたいかなんかを考えたりしていて、自分だけの時間を満喫できるから好きだ。

先日浸かりに行った時、ある親子のとてもすばらしい光景を見ることができた。お風呂に入ると、おじいさん(80歳くらい)を床にペタッと座らせ、息子(50歳くらい)がおじいさんのひげを剃ってあげていた。気持ちよさそうにひげを剃られているおじいさん、必死に父親のひげを剃る息子、そこから感じられる親子愛のようなものを感じ、浸かりながら眺めとても心が安らいだ。

その親子が出ていって間もなく、自分も脱衣所に向かったら、今度はその息子がおじいさんの洋服を着させてあげていた。ふとそのおじいさんと目が合ったら、おじいさんは自分の方を見てニコッとしてくれた。思わず自分もニコッと笑顔を返した。息子に世話をしてもらえるのがうれしいのか、お風呂が気持ちよかったのか、分からないが、おじいさんはとてもうれしそうだった。

こんな形で親孝行を実行している息子さんはすごいなあ。親子で行ける銭湯っていいなあ。と温かい気持ちになりポカポカした体でコートの隙間から入ってくる真冬の冷たい風に心地よさを感じつつ家路についた。

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