2009年2月12日木曜日

『海角七号』(『Cape No.7』) 【映画】

『海角七号』という台湾映画を上海の中心地人民広場の映画館に見に行った。日本ではあまり話題にされていないが、興行収入は5億台湾ドルを突破し台湾歴代映画興行成績のランキングでタイタニックに次ぎ2位になったこともあり上海でも注目されている。

1940年代日本統治時代の台湾から敗戦のため日本に引き上げる日本人男性と、台湾に残る台湾人女性の引きちぎられ崩れた恋が、台湾南部の田舎町での地方活性化を目的とした日本人の中孝介のコンサートを企画することで60年越しに蘇る。というストーリーだ。

映画の中では、台湾にやむなく恋人を残してしまった日本人が日本への航海中に必死に愛する気持ちをラブレターに書き綴る。昔書いたラブレターが、執筆した男性が他界し、女性はシワシワの耳が聞こえないおばあさんになってしまった60年後に届く。日本人と台湾人の国境を超えた愛。といったシーンから感じる“恋愛”。

バンドを挫折し活力を失ってしまった息子に再びバンドをするチャンスを与える、いじけてしまった息子を励ますためバイクを一緒に拭くといった父親の優しさ。息子のライブを見ているときのお父さんの万面の笑み。親子が海を見ながら気持ちよさそうに唄う。敬意を表しおじいちゃんもバンドメンバーに入れる。などのシーンから感じる“親子愛”。

地元を盛り上げるために皆でライブを成功させようとする。「海角七号という地名はどこにあるのか?」と様々な人に尋ねその度に「ありがとう」とお礼を言う小さいけど温かいコミュニティー。というシーンから
感じる“地元愛”。

『馬拉柔』という米酒を必死に販売し、60本売れたときは大喜びするする営業マンの姿勢から感じる“会社愛”。

など面白おかしく描かれたストーリーの中にも様々な“愛”が見てとれ、これまで中国語の映画で言葉の壁もありあまり感情移入できなかったが、とても感動し思わす涙が流れてしまった。

また、台湾へは大学2年生のころ短期留学していたので、台湾の雰囲気、人の温かさ、海を望む台南の風景など懐かしさを感じられた。日本では一部映画館では放映されたそうだがDVDなど発売になるだろうか。もしそうなら是非購入したい一作だ。上海で良い映画を見ることができてうれしい一日だった。

今日の映画のチケットは50元(約750円)。日本よりは安く見れるが、物価同様映画の料金も少しずつ高くなっているようだ。

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