2009年3月2日月曜日

問いを立てる>問いを解く 分かる>納得する【R25ナイスQ編集部より】

PODCAST番組の『R25ナイスQ編集部』という番組がおもしろい。答えを知っているより問題を作れる方が偉いという大前提の下、何気ない小さな問いを徹底的に調べていき、へ~。という内容が多く好奇心をそそられる。

中でも、毎回放送のはじめに紹介される。『東京大学松井孝文教授は言いました。』というコーナーで、「納得する」という言葉と、「分かる」という言葉を分けて考えること、問題を解くことより、ちゃんとした問いを立てることの方が大事であること。が話されていて納得を分かると思っていた自分や問いを立てず日々を送っていた自分を感じることができた。

以下松井教授のコメント一部議事録

2008年12月20日
『あまり区別なくね分かるとか納得するって言葉使ってるわけ。僕は分けているわけ。自分の経験してきた時間身の回りのことだけで判断するそれは納得するって世界。分かったことにならない。だから問題を作ってないっていうのはそういうことなんです。問題を立てて問題を解くっていうのは分かる世界の話だから。分かるっていうのは広居時空スケールの中で問題こう作って解いていくっていうのが分かる世界の話なんですよ。』

2008年12月27日
『文明とは何かって問いだって答えられる?非常に大きな問題っていうのは答えようがないわけだよ。だけど、意味することこは分かるわけでしょ?文明とは何かってだれだって興味あるわけだよ。これをじゃあこういう問題ですよと。これを解けば文明とは何かと分かりますよ。こういう格好の問いにしないといけないわけです。』

2009年1月3日
『みんな答えを知っているわけじゃないんだよね。問題を立てればその答えは出てくるんだよ。問題が悪ければ答えがでたってしょうがないわけだよ。だからその問題に対する答えを出せる能力がある人はいっぱいいるかもしれない。良い問題が立てられないと、答えを出し方を分かったとしても究極のゴールである解くべき答えにはならない。解くべき問題が分かればそれを解けばいいだけじゃないか。』

2009年1月10日17日
『誰でもそうだけど例えば僕のとこなんか学生が来るでしょ。こういう研究がしたいです。こういう問題を解きたいんですって言うわけでしょ。その問題が非常に大きなテーマが多いわけですよ。例えば生命の起源を知りたいとか 地球の起源を知りたいとか、太陽系の起源を知りたいとか。そういう研究をやりたいんです。ということを言ってくるんだよ。だけどこんなもの何も問いになってないわけ。だって生命の起源を解くってどうすれば解いたことになる。分からないでしょ?だから問いになってないわけですよ。』

2009年1月24日31日
『現状がどういう現状なのかってことをやっぱ自分の頭で考えなきゃ。それも自分の経験とかね、身の回りのことだけじゃなくてもっと広い時空スケールの中でこの問題は何なのかってことを自分の頭で考えなきゃいかんよ。まず現状の認識をしないと問題も立てられないよ。皆さん現状認識が正しくないから問題が立てられない。現代とはいかなる時代かなんてパッと答えられないでしょ。そうしなきゃ今何を解くべき問題かって、今の社会で何が問題かなんて見えてこないでしょ。』

2009年2月7日14日
『今の君たちが生きてきた時間であるとか今この瞬間に認知できる空間の広さの中で生きているってことは
それ動物がやっている生き方と同じ自分が感カクくできる範囲の中で空間を感じ、生まれてからずっと生きてきたその歴史の中でいろいろ判断をしている。というのが動物が生きてきた時間空間。人間だけは、ホモサピエンスはこの時間空間を拡張できるわけ。そういう能力を持ったから実は文明を開いたわけ。』

2009年2月21日29日
『皆さんが、人間圏ね正義だとか経済だとか何でもいいけどそれは納得する世界なんだよ。自然科学とかは分かる世界これがねだけどそれが今入り混じっているわけだ。科学技術文明の時代だから。だから分かる話と納得する話と分けて考えていかないといけないわけだ。で問題を立てて解いていかないといけない。』


このPODCASTから今後心がけることとして、以下の二点があげられる。

一、問いを立てる>問いを解く
二、分かる>納得する

一、問いを立てる>問いを解く
先日『キイナの読書法』を書いた時、「研究の場合では、「未知の物理現象のどこが分からないのか」が本当に分かったら7割方問題は終わりです。」とナベさんからもらったコメントにも、問いを解くことよりも立てることの方が難しいことが書かれていたし、自分の生活でも例えば戦略を立てたり、商品サービスを生みだすのは難しいけど、できあがった戦略を実行したり、商品、サービスを営業していくのは簡単といった具合に問いを立てることの難しさと重要性を感じる。

二、分かる>納得する
立てることができた問いに対して、これまでの歴史や現在のことについて本を読んだりネットを見たり人に会ったりして情報を集め、「納得できたこと」をたくさん増やす。「質の高い納得」と「更に質の高い問い」で、時間と空間を拡張するために想像力を発揮させることができるのかもしれない。

一、二も前者は0の状態からのスタートだが、後者はすでに100のうち最低1は始まっているからその分頭を使わなくてもいい。どれだけ自分の頭を使えたか?良い問いを立てられ、分かるに巡り合えるには重要なキーワードのようだ。

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

ナベです。
物事の本質を突く問題を立てることは難しいですね(^-^;)
本質が何かなんて最初からは分からない(普通の人は。アインシュタインやガウスのように歴史に名を残すような天才は違うのか。。。)から、自分が立てた問いをとりあえず解いてみてそこから得たことを用いて理解を深めていく、もしくは他の人の報告を考察する他に無い気がしますね。地道な作業ですが。
仮説を立てる→検証→情報抽出・還元→それを基に仮説を建てる→・・・
のサイクルはなかなか楽しいですよ。