2008年12月16日火曜日

名言

『師は又、画に就いても一種の見方を持っておられた。「俗な画が好きな奴は俗なやつだ。この画の俗さは見ていて胸がわるくなる」「この浅薄な甘さ、はきたくなる」「この何もないくせに、ありそうに見せようとするもがき方」しかしいいものを見ると随分感心された。「さすがに一生を画に捧げた男のかいたものだ。俗なところが少しもない。まじりっけがない。こっちの心にじかにふれる。こうならなければ本当ではない。不思議に人の心を清め、生々させる。そして万物にたいする愛を深める。美と云うものは不思議なものだ。美を意識でつくり出そうと思うものは馬鹿だ。美を感じるのはその人の心の深さに比例する。多くの人は美をかこうと思って綺麗ごとをする。しかし其処に心ない、人間の浅薄さが露骨に見える。本当の美のわかるものは、無限の深さに触れる。~」』【『幸福者』武者小路実篤 P57より】

この文章を読んで、本当の美を心から体感できるようになるには、日々の積み重ねが大切なのだと思った。
音楽、文学、絵画、書道、茶道など、商売、職業、金銭、人間のまやかしに惑わされることなく本当のものを選んでいきたい。

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